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「RawTherapee(5.8)の設定」
・準備 - 初回の設定 - 画面表示の設定 - 基本設定を適用したファイルの作成 -
基本的な編集の手順 - 項目の開閉 - 現像の追い込み方(露光) -
現像の追い込み方(CbDL) - 現像の追い込み方(カラー) - 保存の方法

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・準備

:ソフトの設定を初期化する場合

隠しフォルダに入っているRawTherapeeのフォルダを削除する。
Windows11の場合は「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local」の中にある。

:あると便利なファイルを確保する

Adobeの「Camera Raw」をダウンロード。プログラムを開いて解凍。

「C:\ProgramData\Adobe\CameraRaw」に「CameraProfiles」と「LensProfiles」のフォルダが存在している。
そこから使っているカメラ向けのファイルをコピーして分かりやすい名前をつけたフォルダを作成してそこに保存する。

(一例)

「CameraProfiles」フォルダ内「Adobe Standard」フォルダから抜き出したファイルを「My Standard」フォルダに保存。
「CameraProfiles」フォルダ内「Camera」フォルダから抜き出したファイルを「My Camera」フォルダに保存。

拡張子「dcp」のファイルは「カラー」タブの「カラーマネジメント」の項目に使える。
「LensProfiles」フォルダ内「1.0」フォルダから抜き出したファイルを「My Lens」フォルダに保存。

拡張子「lcp」のファイルは「変形」タブの「プロファイルされているレンズ補正」の項目に使える。
これら「My」で始まるフォルダを新規作成した「forRaw」と名前をつけたフォルダの中に保存する。

RawTherapeeの現像時に作成した拡張子「pp3」のファイルは「forRaw」フォルダ内に「My pp3」フォルダを作って保存。

その後使用してみた際に「My Camera」フォルダと「My Standard」フォルダの中身は統合した方がいいなと実感。

「My Standard」フォルダの「Fujifilm X-E3 Adobe Standard.dcp」といった拡張子「dcp」のファイルを
「My Camera」フォルダに移動。元々存在していたカメラの機種ごとにdcpファイルをまとめたフォルダと並べて配置。

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・初回の設定

リリースノートを「閉じる」を押して閉じる。
画面左下の四角形と丸で構築されたレバーを上下する様なアイコンを押して環境設定を表示する。

:一般

編集レイアウトを「シングルタブモードモード」にする。表示は誤植。
「左パネルにヒストグラム」のチェックを外す。

(外観)

「メインフォント」「カラーピッカーのフォント」を必要であれば変える。自分は「MS UI Gothic Normal」「9」にする。

ここで一度「OK」を押して設定を保存。再度アイコンを押して環境設定を表示する。

(外観)

テーマをプルダウンの中から選択する。個人的には「TooWaGray - Bright」を選択。
以前のベージュ色のテーマ(92-Beige-DarkCyan)の方が圧倒的に見やすかったのに消えてしまった。

ここで再度「OK」を押して設定を保存。一度Rawtherapeeを終了して再度起動する。
再度の起動後はアイコンがレバーを上下する様なアイコンが右上に移動しているので注意。

:画像処理

「画像処理のデフォルト値」の「raw画像」を「(ダイナミック)」にする。

(処理プロファイルの取り扱い)

「処理プロファイルが保存されている場所」を「処理プロファイルのパラメータをcacheに保存」にする。
「処理プロファイル読み込みの優先」を「cacheの中のプロファイル」にする。

:ファイルブラウザ

「起動時の画像・ディレクトリ」で「他:」を選択し、写真が入っているフォルダを設定して「開く」を押す。
「基本Exif情報表示」のチェックを外す。
「メニューオプションの状況」に関するチェックをすべて外す。
「サムネイル縦の最大値」を「200」にする。「cacheに入れるファイルの最大数」を「25000」にする。
「拡張子」の形式名を確認し、読む必要のある形式以外へのチェックを外して読み込む形式を減らす。

:サウンド

有効のチェックを外す。

終わったら右下の「OK」を押して保存する。

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・画面表示の設定

:ファイル一覧

画面左側中央「最近開いたフォルダ」の上をドラッグして引っ張り上げる。「場所」の項目が隠される。
写真を保存しているフォルダを選択。画面中央上部にある「丸囲みのi」を押してExif情報を非表示にする。
画面右側「高速書き出し」の辺りを右にドラッグ。隠れていた「表示/非表示 右パネル」が出るので押す。
写真を保存しているフォルダとビューアーの境界線を左にドラッグしてビューアー側の領域を広げる。
写真を保存しているフォルダのいずれかをダブルクリック。フォルダの中にあるファイルが一覧で表示される。

:ファイル編集

「丸囲みのi」のアイコンを押して消灯する。隣にある「左パネル 表示/非表示」を押してナビゲータ画面を隠す。

画面表示などの編集した設定項目は

C:\Users\xtrea\AppData\Local\RawTherapee
C:\Documents and Settings\Administrator\Local Settings\Application Data\RawTherapee4.2

こうした場所の中にある「options」にテキストで保存されているので
そのファイルを別の場所にもコピーしておくと復旧が楽になる。

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・基本設定を適用したファイルの作成

予め適用しておきたい内容を反映したpp3形式のファイルを作成する。
作成したpp3形式のファイルを現像前に開いて適用する事で効率化と高画質化を図る事が可能になる。

「露光」タブの変更項目は特になし。

:CbDLタブの変更項目

シャープニングの項目を押して点灯する。「コントラストのしきい値」以下の内容は初期設定のまま。

:カラータブの変更項目

作業プロファイル「ProPhoto」の下にある「トーン再現カーブ」を押して「カスタム」を選択。

ガンマ「2.400」、勾配「12.92」の内容を
ガンマ「2.250」、勾配「10.00」に変更する。

ガンマと勾配の値を変更する事で薄い霧のかかっている様な色合いから霧が取れる様になる。
なのでこの値で固定する事なくいくつかの組み合わせを現像の前に試してみる事。

「高度な機能」タブの変更項目は特になし。

:変形タブの変更項目

「切り抜き」の文字を押して項目を閉じる。
「リサイズ」の左隣の「○」を押して項目を点灯する。

適用領域を「全画像」、条件指定を「スケール」、スケールを「0.5」に設定。

方式は「ランチョス」のままにする。

その下にある「リサイズ後のシャープニング」を押して点灯する。
その下にある方式は「アンシャープマスク」を選択して変更する。

「コントラストのしきい値」などの項目は初期設定で十分。

「レンズ/ジオメトリ」の「オートフィル」のチェックを外す。
「レンズ補正プロファイル」の「自動で選択」を選択。

補正の項目は「歪曲補正」と「周辺光量」にチェックが入った初期状態のままにする。

「raw」タブと「メタデータ」タブの変更項目は特になし。

設定を変更したらフロッピーのアイコンを押して「現在のプロファイルを保存」を押す。
「forRaw」フォルダ内に「My base 0.5.pp3」というファイル名で保存。

その後スケールを「1.0」に設定。つまり縮小はしない設定になる。

この状態でフロッピーのアイコンを押して「現在のプロファイルを保存」を押す。
「forRaw」フォルダ内に「My base 1.0.pp3」というファイル名で保存。

以降は作成したpp3ファイルを開く事で必要であればリサイズと適切なシャープネスが適用される。

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・基本的な編集の手順

先に作成したpp3ファイルをフォルダのアイコンを押して開いて指定して適用する。

「変形」タブに移動。「レンズ/ジオメトリ」の項目の「レンズ補正 プロファイル」の項目に移動する。

「自動で選択」を選択。

使用したカメラとレンズに対応したデータをRawtherapeeが持っている場合
カメラ名、レンズ名と共に対応したデータが「手動で選択」の隣に表示される。

「歪曲補正」と「周辺光量」にチェックが入った状態で補正が実行される。

その後「カラー」タブに移動。初回の編集時には以下の項目の文字列を押して項目を閉じておく。

「自然な彩度」「チャンネルミキサー」「白黒」「HSV イコライザ」
「フィルムシミュレーション」「ソフトライト」「RGBカーブ」「カラートーン調整」

「カラーマネジメント」の項目でカスタムを選択。撮影したカメラ向けのdcpファイルを選択して「開く」を押す。
そのdcpファイルがカスタムの欄に適用されている状態で「DCP」の項目の「DCPトーンカーブ使用」にチェックを入れる。

すると「めっちゃ暗いやん!」な状態で表示されていた画像が明るさを取り戻した色合いになる。
ただし色が明るくなりすぎて「白飛び気味に変化しとるやん!」と思う様な色合いになる事もある。

白飛び気味に変化した場合は露光量補正をマイナスに調整する。

:DCPのその他の項目の調整

光源は「6500K」を選択。
「ルックテーブル」にチェックを入れる。

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・項目の開閉

使用しない編集項目は文字列を押して閉じておく。

:露光タブ

「トーンマッピング」「ダイナミックレンジ圧縮」「ビネットフィルター」「減光フィルター」「Lab 調整」

:CbDLタブ

「エッジ」「マイクロコントラスト」「インパルスノイズ低減」「ノイズ低減」「フリンジ低減」
「詳細レベルによるコントラスト調整」「霞除去」

:高度な機能タブ

「レティネックス」「CIE色の見えモデル2002」「ウェーブレット」

:rawタブ

「(センサーの名前)を使ったセンサー」「raw ホワイトポイント」「前処理」「ダークフレーム」
「フラットフィールド」「ネガフィルム」「キャプチャーシャープニング」

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・現像の追い込み方(露光)

:露光量補正

露光量補正の数字は「0.10」ずつの増減で微調整を行う。
更に小さい微調整を行いたい場合に「0.05」の単位が顔を出す。

露光量補正の数字を増やせば増やすほど明るい部分の白飛びが発生しやすくなる。
数字を増やすと同時にハイライト圧縮の数字も「5」刻みで増やして白飛びを抑える事。

:黒レベル

黒レベルは「1024」の倍数を基本に設定する。
細かい微調整が欲しい時だけ「512」ずつの増減を行う。

マイナスの値ほど全体が明るくなる。
プラスの値ほど全体が暗くなる。

露光補正はクッキリと明るくなる。
マイナスの黒レベルはふんわりと明るくなる。

用いた事のある最大値は「-8192」。そこが使用範囲の末端。

:シャドウ圧縮

黒レベルの調整を行った場合には黒レベルの下にあるシャドウ圧縮の値も変える。

基準になる値は「25」。色乗りが自然な濃さになるのは(個人的には)この値。
「25」で違和感がある場合はバーを左端に移動して「0」に変えてから
右端の「100」の方へと少しずつ移動して調整をかけていく。

:黒レベルの下にある明度、コントラスト、彩度

明度(「0」から「-5」の範囲に設定。個人的には「-5」にしてから「0」までの範囲で設定する事がよくある)
コントラスト(「0」から「5」の範囲に設定。個人的には「5」にしてから「0」までの範囲で設定する事がよくある)
彩度(「0」から「5」の範囲に設定。)

「もう少し色乗りがほしいね」と思った時にコントラストと彩度を同じ値に編集する事がたまにある。

:トーンカーブ

トーンカーブの傾向は

ハイライト

プラスにすると明るい部分が更に明るくなる。
マイナスにすると明るい部分の色が薄くなって(灰色に近くなって)暗くなる。

ライト

プラスにすると暗い部分も明るい部分も「色を濃くして」明るくなる。
マイナスにすると暗い部分も明るい部分も「色の濃いまま」暗くなる。

ダーク

プラスにすると暗い部分も明るい部分も「色が薄くなって」明るくなる。
マイナスにすると暗い部分も明るい部分も「色が薄くなって」暗くなる。

シャドウ

プラスにすると暗い部分が色を薄くして明るくなる。
マイナスにすると暗い部分が色を濃くして暗くなる。

以上の傾向になる。

トーンカーブには「トーンカーブ1」と「トーンカーブ2」がある。
「1」だけ設定する場合もあれば「1」で修正し、それをさらに「2」で修正する場合もある。

基本的には全ての数字を「0」にした状態から現像を開始し、
微調整程度に各項目の数字を調整する方が無難。

:シャドウ/ハイライト

「○」をクリックしないと設定が反映されない。

例えば各種設定ファイルを適用した状態で「空の色飛びすぎでしょ」と思った時に
ハイライトの側を補正する時に使う。

(一例)

ハイライトを暗くが「20」の状態でハイライトトーンの幅を「40」にする。
シャドウを明るくが「15」の状態でシャドウトーンの幅を「50」にする。

トーンの設定は画像ごとに微調整をかけるしかない。

:明度とコントラストの調整

明度とコントラストを調整出来る箇所は
「露光補正(Rgb 調整)」と「Lab 調整」の2ヶ所になる。

「LCの適用をレッドと肌色トーンだけに制限」のチェックを外す。

(Rgb 調整)

明度マイナス:赤っぽい色が強めに暗くなる。
明度プラス:元画像に白を流した形で明るくなる。

コントラストマイナス:白を流した形+色を抜いて灰色っぽくした色合いになる。
コントラストプラス:色の乗ってる部分がこってりと濃くなった状態で明るくなる。

(Lab 調整)

明度マイナス:濃い灰色を伴って色が暗くなる。
明度プラス:白を流すが色のついた部分はその色をある程度残して明るくなる。

コントラストマイナス:色のついた部分の色をある程度残して白っぽくなる。
コントラストプラス:色のついた部分の色を抜きながら黒っぽい方に濃くなる。

……文章にするのは難しいが以上の様な違いになる。

「Rgb 調整」と
「Lab 調整」は両方を併用してもいい。

(Rgb 調整)

明度を「-10」にする。
コントラストを「5」にする。

(Lab 調整)

明度を「-5」にする。
コントラストを「5」にする。

以上が組み合わせの一例。

これで色の濃さが違和感の少ない状態で色濃くなる。

勿論無理してその数字を当てはめる必要はない。
不要だと思えばRgbもLabも全て「0」のままにして構わない。

Labはむしろカーブ調整の方が主役になる。

(Lab 調整 > カーブ)

「L」と「a」と「b」のそれぞれの右側にある▼をクリックして「カスタム」を選択する。

すると正方形がブロックの様に並び、その上に右上へと向かう直線の画面が現れる。
直線の途中の特定の場所をクリックしてドラッグする事で色合いを変化させる事が出来る。

L:左下から右に5つ目。その正方形を含めて下から5つ目の正方形の右上の端に位置する直線を
真上に持ち上げて下から6つ目の正方形の右端に移動して曲線にする事で
日陰の顔を明るくし、なおかつ服の濃さを残す事が出来る。

a:左下から右に3つ目。その正方形を含めて下から3つ目の正方形の右上の端に位置する直線を
僅かに(正方形の長さの8分の1ほど、本当に僅か)持ち上げる事で明るくした人肌の質感(赤み)が増す。

b:右上から左に3つ目。その正方形を含めて上から3つ目の正方形の左下の端に位置する直線を
僅かに(正方形の長さの4分の1ほど)真下へと降ろす事で明るくした人肌の質感(黄色み)が増す。

「L」「a」「b」は枠に囲まれたボタンの中を押す事で設定の対象が変更できる。

人物撮影で被写体のお顔が日陰になっている状態を持ち上げる為にカーブを利用すると
写真としては映えるがリアルで見た時の色合いからは遠ざかる。その事を念頭に置いて利用する事。

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・現像の追い込み方(CbDL)

:シャープニング

初期設定の「アンシャープマスク」、コントラストのしきい値「20」で十分。

:インパルスノイズ削減(必要な場合)

インパルスノイズ削減の有効にチェックを入れる。
インパルスノイズ削減のしきい値を「75」にする。

インパルスノイズとはガラスに付着した雨粒の様な状態のノイズを指す。
高感度で撮影した画像に発生しやすい。

:ノイズ低減(必要な場合)

ノイズ低減の有効にチェックを入れる。
ノイズ低減の方式をLabにする。

選んだ「Lab」の直下にある輝度は「0.00」から増量する。

(試行設定)

輝度の設定が「25.00」。
細部の復元が「*0.00」。

女性の肌の質感が僅かの部分で塗り絵に近くなる。全体で見た際の違和感は感じない。

輝度の設定が「75.00」。
細部の復元が「*0.00」。

女性の肌の質感が相当な部分で塗り絵に近くなる。全体で見た際の違和感が凄まじい。

輝度の設定が「50.00」。
細部の復元が「*0.00」。

女性の肌の質感を均一に近づける「美肌アプリによくある加工」を施すならこの値が限度。

輝度の設定が「50.00」。
細部の復元が「50.00」。

僅かに戻っている…かなぁ?という程度の差。じっくり見なければその違いが分からない。

輝度の設定が「50.00」。
細部の復元が「25.00」。

自分は以上の値を考える。「美肌アプリによくある加工」が必要なら使用するかな?程度。

:ディティールレベルのコントラスト

有効にチェックを入れる。

0(細かい)から4(粗い)までをすべて「1.10」に設定して、しきい値を「0」にする。

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・現像の追い込み方(カラー)

:ホワイトバランス

ホワイトバランスの基本は「カメラ」表示のままにする。編集するのは主に「色温度」。

色温度の数字が減少:青っぽくなる
色温度の数字が増加:赤っぽくなる

色温度を変更した際に「カメラ」の方式表示が「カスタム」に変わる。

画像によってはプラス200K(ケルビン)にした方が現実の色合いに近くなる事もある。

設定値を増やしすぎると色合いが嘘くさくなるので注意。

:作業プロファイル

「カラーマネジメント」の項目の下にある「作業プロファイル」でガンマを補正すると
より撮影したカメラの背面液晶で見えている明るさに近づける事が出来る。

トーン再現カーブで「カスタム」を選択。「ガンマ」と「勾配」を調整する。
ガンマの初期値は「2.400」、勾配の初期値は「12.92」。

明の一例:ガンマ(2.500)、勾配(18.00)
暗の一例:ガンマ(2.000)、勾配(10.00) ※暗は勾配を「8.00」にするともっと暗くなる。

色々な組み合わせを試してみる事。

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・保存の方法

画面左下のフロッピーのアイコンを押す。保存の画面がポップアップで表示される。
保存場所を指定する。JPEG品質を指定する。個人的には「94」。
「設定値も保存する」のチェックを外す。サブサンプリングは一番下の「最適な画質」を選択。

OKを押すと現像が行われて保存される。

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追加:2023/02/15 修正:2023/09/19 04:00
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