[ 「顔がもう、真っ白になっている」 ] 井上尚弥(31)=大橋=が金芸俊(32)=韓国=を下し、
スーパーバンタム級の世界4団体統一王座防衛に成功した。父の真吾トレーナー(53)は
24日、スポーツ報知に手記を寄稿。世界の大舞台へ再び向かう2025年最初の試合をクリアした
長男の勝利を喜ぶとともに、その強さの“秘密”を明かした。(報知 2025年1月25日 5時10分)
練習には本当に妥協がない。必ず前回、前々回を超えていこうとする。
例えば、サンドバッグでもラウンドが終わってから10秒ラッシュを入れたり、
ジャブを打ったり。目いっぱいに打ち込んで、もう限界、ここで休憩というところで
5秒、10秒を追加する。きつくて手数が減るところで増やすんです。
周りから見れば些細(ささい)なことかもしれない。でも、プラス5秒と、
少しでも限界を広げていくことが強さにつながるんです。ステップワークを入れ、
ジャブを打ちながら呼吸を整え、また次のラウンドへ。サンドバッグを打ち終わると、
顔がもう、真っ白になっている。そのくらい追い込んでいるんです。少しでも力を抜いたり、
流したりすれば、間違いなく足をすくわれる。前回よりも、わずかでいいから自分の限界枠を広げていく。
自分が置かれている立場を分かっているし、やらなきゃいけないと分かっているから。