2024年06月19日(水)終末

「終末トレインどこへいく?」の最終回の制作が間に合わず、総集編と銘打ったこれまでのお話のまとめが放送。

予定では次週が最終回。

既にこの作品への評価は定まっている。

1:最初と最後だけしっかりと作っておけば道中はスラップスティックコメディな内容で事足りる。

ある意味省エネな作品。道中のお話は基本的になんでもありのごった煮な世界。

2:ただし練馬を除く。

練馬駅(ねりまえき)は、東京都練馬区にある西武鉄道・東京都交通局(都営地下鉄)の駅である。

「練馬の国のアリス」って要するに終末トレインどこへいく?の基盤となっている作品は
「鏡の国のアリス」ですよ〜っていう匂わせというか紹介というかの為に必要不可欠な要素。

何だか物騒なヤギ人間ですが、この世界を回っているクロヒョウ便の人たちは
ヤギ人間の対処法を知っているらしいです。(水島努)

白の歩(ポーン)となったアリスは、最初の一手で2枡進むために自分でも知らないうちに
列車に乗りこみ、紙を着た紳士、ヤギ、カブトムシ、ひっきりなしに駄洒落を言う声
(姿は見えないが、後で巨大な蚊とわかる)と相席する。

悲報・西武鉄道・武蔵横手駅のヤギちゃん全て亡くなった。(とことこパンダのお散歩写真 2021年11月07日)

「鏡の国」におけるアリスの行動はチェスのルールに沿ったものとして描かれており、
本作の冒頭にはその点を明示する、キャロルによる棋譜と指し手の解説が掲載されている。
この序文で言明されているように、チェスのルールにある程度沿っているのは駒の動きだけで、
白と赤の指し手の交代などは厳密に守られてはいない。このチェスのモチーフは、
白と赤(黒)の駒が必ず対になるという点で、鏡という本作のもうひとつのモチーフとも
合致していると考えられる。チェスをモチーフとした本作には、それぞれ赤と白の女王および王、
また白の騎士といった、チェスの駒にそのまま人格を与えたキャラクターが登場する。

静留、善治郎、ポチさん ←→ 葉香、ポンタロー、ポチ

陣営が鏡写しの様に見えてくる。

アリスはどうやら夢を見ていたらしいと悟り、
子猫たちにあれこれ問いかけたあと、この夢ははたして自分の夢だったのか、
それとも赤の王の夢だったのかと自問する(第12章 どちらの夢だった?)。

2期も劇場版もなければ誰かの夢オチの様な形で終わる事を示唆していると考えられる。

3:予算を出させる工夫ってこうすればいいのか。と勉強になる。

原作小説のラノベが累計何万部売れてるからアニメにしようとかいう原作ありきではないオリジナル作品。
オリジナル作品って当たればいいけど外れたらどうするの?的な印象になるので予算は降りづらい。

現実にある路線を物語の舞台にする事で聖地巡礼と鉄道会社への協力を求める事が可能になり
聖地巡礼に御社の鉄道路線を視聴者が利用すれば御社への収入にもつながりますよと誘っていく。

逆に鉄道会社が作品を宣伝する事で作品の宣伝が届きづらい層にも作品を見てもらえる様になる。

こういう相互補助の関係を作ればいいのか。その事が勉強になる。

今期放送のオリジナル作品では「リンカイ!」との比較になる。

現実の競輪界にすり寄った割には
競輪の車券の新たな購買層には繋がっていないので商業展開としては失敗しているのとは対照的。

リンカイ!にしろウマ娘にしろ公営競技を題材とした作品は公営競技の投票券の売り上げには繋がらず
オタクが架空のキャラクターにべったりする「だけ」に甘んじる傾向が非常に強い。

なので2次元作品と公営競技は実は水と油。よっぽど上手くやらない限り補完しあう関係にはならない。

4:それでも何もかもがうまくいった終末トレインという感じではないな。他山の石(になる出来事)がある。

所沢市内にある4駅を全てスルー。何の描写もなく何の出来事も放送されませんでした。

「ところざわざわ」という文言(歌唱?)があるだけ。

池袋線と新宿線が両方乗り入れ、それぞれの特急(ラビューとレッドアロー)も停車する西武線の顔。

隙あらばライオンズとばかりに埼玉西武ライオンズの情報をねじ込んでくる。

「売店の店員がライオンズのユニフォームを着ている」
「試合の経過が分かる掲示物を設置している」
「橋上駅舎のコンコースの天井には巨大な垂れ幕広告がぶら下がっている」

小学生ぐらいの多感な時期なら十中八九ライオンズファンになっている様な展開が実行に移されている。
そうした特徴のある所沢駅をどう描写するのか?そこは楽しみのひとつだっただけにそれがないのは残念。

実は最終話の最終決戦は所沢駅でやります(その為にスルーしてました)とかだったらいいんだが。

……。

なのでこの作品の評価は「面白い」ではなく「興味深い」でほぼ確定している。

商業展開はこうすれば売れ線になりやすいのかといった興味深さと
それでも何もかもが上手く行っている訳ではない、いくらベテラン監督であっても限界はあるねといった
ある種の「諦め」を勉強させてもらった佳作的作品。

あとはやっぱり所沢駅の描写が欲しいね。

それがあれば佳作から良作に上がる。

それと出演声優による埼玉西武ライオンズ主催のベルーナドームによる試合での始球式も。

千倉静留ちゃんを演じられている安済知佳さんによる始球式です

「終末トレインどこへいく?」とのコラボ試合の実施を早期に求む。

以上。

2024年06月19日(水)07時39分29秒