2023年06月08日(木)能面

[ 巨人・岡本和真、パ・リーグ球団も恐れる「能面打法」 ] 巨人・岡本和真内野手(26)は
7日のオリックス戦(京セラドーム)で、得点につながる2安打に好守備も見せて10−0の
圧勝に貢献。交流戦で5割近い打率をマークする主砲は、その顔つきだけでパ・リーグ球団に
脅威を与えている。1回2死一塁で放った中前打が智弁学園高の1学年後輩、広岡の失策も絡んで
先制点を呼び込むと、4回にも三塁内野安打で出塁。2点目のホームを踏んだ。直後4回2死一、三塁の
守備では三遊間の強烈なライナーに横っ飛びで反応。グラブに当てたボールを拾い上げると、
膝を着いたまま送球しアウトに。メジャーリーガーばりのプレーで失点を防ぎ、敵地のファンも沸かせた。
原辰徳監督(64)は「大きかったね。大きかった。守備で貢献したね。いや、守備で『も』貢献したね。
言葉を間違えちゃった」と攻守にわたる活躍を絶賛。交流戦に入って打率・476、4本塁打、8打点。
本人は「なんで結果を残せるか?特にないですよ。そんなん企業秘密!」とだんまりを決め込むが、
偶然にもそのヒントを指摘したのが、バスケットボール女子日本代表を東京五輪銀メダルに導き、
現在は男子日本代表を率いるトム・ホーバスヘッドコーチ(56)だ。始球式のため4日に
東京ドームを訪れた際、岡本を「打席の中でとてもカーム(冷静)ですね。WBCで彼を見て、
ファンになりました」と告白。時に淡泊にすら映る淡々としたプレースタイルは、対戦の少ない
パ・リーグ側にとって悩みの種となっている。パ球団のスコアラーは「岡本は打席で
表情が全く変わらないから考えが読めない。こちらに手がかりを与えてくれないんですよ。
ほとんど初見の相手に結果を残せているのは、そういう部分も関係しているんじゃないか」と分析。
「いま、セ・リーグでは一番怖い打者。ほとんど穴がない」と脱帽する。つけいるスキが
まるで見当たらない、打席での不気味なほどの無表情。「能面打法」とでも呼ぶべきか。
この日も「また、頑張ります」と飄々と球場を後にした大砲は、その立ち居振る舞いゆえに
まだ止まりそうにない。(夕刊フジ 6/8 15:30)

2023年06月08日(木)16時51分05秒