2022年10月21日(金)表明

[ トラス英首相、辞意表明 ] 英国のトラス首相は20日、与党・保守党の党首を辞任すると
表明した。来週にも党首選で後任を決めた後、首相を辞任する見通し。経済失政で
市場を混乱させたトラス氏は、9月6日の就任から1カ月半で退陣を余儀なくされた。
トラス氏は20日、保守党党首の選出手続きを管理する「1922年委員会」の幹部と会談。
保守党内でトラス氏の辞任を求める声が相次ぐ中、政権の維持は困難と判断したとみられる。
トラス氏は同日の会見で「保守党から選出された任務を果たすことができない」と発言した。
トラス政権は、後任首相が決定する時期によっては英史上、最短の政権になる可能性がある。
英メディアによると、英国で最も短命政権だったのは1827年に在任約4カ月で病死した
カニング首相だった。今後、保守党は党首選を実施する方針で、英メディアによると、
前回の党首選の決選投票でトラス氏に敗れたスナク元財務相らが候補にあがっている。
ただ、最大野党・労働党のスターマー党首は総選挙の実施を求めており、英政治の混乱が
加速する可能性がある。トラス氏は9月6日、政権の不祥事で辞任に追い込まれた
ジョンソン前首相の後任として首相に就任。サッチャー氏、メイ氏に続く英史上3人目の
女性首相だった。トラス政権は9月23日、物価高騰のあおりで減速する景気を立て直すために、
5年間で総額約450億ポンド(約7兆5千億円)規模の減税策を発表。しかし、財源確保が
曖昧だったため市場で財政悪化の懸念が高まり、通貨ポンドが過去最安値をつけるほど急落した。
トラス氏は今月14日、減税策の政策責任者のクワーテング財務相(当時)を解任。
その後、トラス政権は減税策のほぼ全てを撤回した。政権の求心力が低下する中、
ブレーバーマン内相(同)が19日、政権を批判する形で辞任を表明。支持率も低迷し、
英世論調査大手ユーガブは18日、政権の支持率が調査を始めた2011年以降で
最悪水準の7%になったと発表した。不支持は77%だった。(産経 2022/10/20 23:09)

2022年10月21日(金)00時07分35秒