[ 上本「新井さんの力になりたい」 ] 広島・上本崇司内野手(32)は9日、自主トレに訪れた
マツダスタジアムで就任の決まった新井貴浩新監督(45)=デイリースポーツ評論家=について
「力になりたい」と貢献を誓った。プロ10年目の今季は内外野を守り、チームの穴を埋め続け
キャリアハイの成績を残した。来季も同様の役割を果たしながらスキがあれば定位置獲得を目指す。
新井新監督で迎える来季を思えば、じっとしてはいられなかった。上本は10日から始まる
秋季練習を前に体を動かした。新指揮官は現役時代には一緒にプレー。「神様です。優しいです。
新井さんが監督。不思議です。どう接していいか分からない。要所は絶対厳しいと思うし、
練習も絶対に厳しくなると思う」10年目の今季は自己最多の94試合に出場し、打率・307、
プロ初本塁打を含む2本塁打、18打点。過去9年の通算成績を1年で上回る活躍を見せた。
「僕自身はこのままでいいです。いいですけど、新井さんの力にはなりたい」さらなる飛躍を
期待する声には否定した。欲がないわけでない。体験したからこそ大きなことは言えない。
プロ初の開幕スタメンから開幕ダッシュに多く貢献した。だが、試合に出続ける疲労は想像以上だった。
「5月は死にそうでした。体も全然動かなくて、ちょっと(試合に)出なくなって6月からまた良くなった」
休養の大切さを痛感した。「レギュラーより、穴埋めで頑張ります。その代わり(レギュラーが)
チンタラチンタラしてたら奪うよみたいな感じではいます」準レギュラーとしてチームのピンチを救う
存在を目指す。スキがあれば定位置を狙う姿勢も失わない。球界でも珍しい10年目でのブレーク。
その理由を問われれば「打たないと試合に出られない。守備と走塁を捨てて打撃に集中した」と明かした。
打撃は周囲に助言を求めた。メジャーに移籍した鈴木誠也からはタイミングの取り方。
「自分が強く振れるところまで呼び寄せて打ってみてください」会沢からはトップの位置。
「(背中側の)後ろに下がるとバットが出てこない。ちょっと前(体の前)にするとそのまま出る」
2つの金言で打てるようになった。もちろん来季も継続する。
“困った時の上本”として、新井新監督の力になる。(2022.10.10)