[ プーチン氏に「戦争の時代でない」 ] ロシアのプーチン大統領は16日、ウズベキスタン・サマルカンドでの
上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせ、インドのモディ首相、トルコのエルドアン大統領と
それぞれ会談した。プーチン氏は、ウクライナ侵攻を巡る対露制裁から距離を置く両国と
友好関係を確認し、ロシアが国際的に孤立しているとの印象を払拭したい考えだ。
プーチン氏はモディ氏との会談冒頭で「ロシアはウクライナでの紛争に対するインドの懸念を
理解している」と述べた。その上で「ロシアは紛争ができるだけ早く終わるよう全てのことをしているが、
ウクライナが交渉を拒否し、武力で目的を達成しようとしている」と自説を主張した。
モディ氏は「印露関係は良好になっており、それは世界全体の利益となる」としつつ、
「現代は戦争の時代でない。平和に向けた道を話し合いたい」とウクライナ侵攻の停止を求めた。
一方、プーチン氏とエルドアン氏の会談ではウクライナからの穀物輸出について協議された。
プーチン氏は「ウクライナから輸出された穀物の大部分が最貧国に送られることを望んでいる」と述べ、
輸出の状況に不満を示した。侵攻で停滞してきたウクライナ産穀物の輸出を巡っては7月下旬、
トルコと国連の仲介でロシアとウクライナが再開に合意。しかしプーチン氏は今月、合意を修正し、
穀物輸出先を制限したい意向を示した。穀物の大半が欧州に送られ、食料危機に直面する
発展途上国にほとんど届いていないと主張している。プーチン氏には、途上国の支持を得たり、
ウクライナの財政を悪化させたりする思惑がありそうだ。ウクライナは「ロシアに合意の修正を
求める権限はない」と非難。英国防省も「国連の統計ではウクライナ産穀物の30%が
途上国に送られており、プーチン氏の主張は真実でない」としている。(産経 2022/9/17 00:11)