2022年07月28日(木)両替

[ さい銭と紙幣を無料両替 ] 群馬県玉村町の玉村八幡宮が、さい銭と紙幣を無料で両替する
サービスを始め、好評を得ている。釣り銭用の硬貨を必要とする周辺の商店と、さい銭として
硬貨が集まってくる神社の双方に好都合な仕組みだ。背景には、金融機関が硬貨の両替や
預け入れに関して、相次いで手数料を取ったり値上げしたりするようになったこともある。
八幡宮近くの和菓子販売店「八幡茶屋」の看板商品「宮だんご」は888円。客の多くが
千円札で支払うため、店は毎日大量の1円玉や10円玉が必要になる。
だが、よく利用する地元の銀行は、100枚以上の硬貨の両替に手数料がかかる。
店主の女性(34)は「1円玉だと両替するだけで赤字になってしまう。これからも
神社の両替を利用したい」と話し、「両替で得た小銭は、元々は、おさい銭。御利益があるので、
お客様への『福分け』にもなる」と笑みを見せた。玉村八幡宮が両替を始めたきっかけは、
今年春、県外の神社が無料で両替をしていることを梅林健二宮司(46)が知ったことだった。
同八幡宮では正月などに1万枚以上の硬貨がさい銭として集まるが、銀行に預けると
1回で数万円の手数料を取られるため、町内の商店やコンビニ店などに両替を呼びかけた。
4月頃に始めたところ、予想以上に両替への要望が多く、「おさい銭の硬貨がなくなりそうな
勢いになった」(梅林宮司)。今では1円、5円、10円、50円、100円玉の5種類で
毎週2000〜6000枚程度を両替しているという。硬貨の両替や預け入れをめぐっては、
金融機関で手数料を取り始めたり値上げしたりする動きが相次いでいる。ゆうちょ銀行は
1月から硬貨の取扱手数料を導入したほか、群馬銀行も4月に両替などの手数料を値上げした。
梅林宮司は「コロナ禍でお互いが困っている今、助け合いの精神が大事。少しでも地域貢献に
なればと思っている」と語った。金融機関以外が両替を行うことについて、金融庁は
「銀行法では、両替は金融機関の『付随業務』という位置づけで、銀行の免許は必要ない」との
認識だ。財務省理財局も「硬貨と紙幣の両替は一般的に規制されるものではない」との
考えを示した。玉村八幡宮では両替は50枚から受け付け、事前連絡が必要。
問い合わせは同八幡宮(0270・65・2305)。(読売 2022年07月28日 14時44分)

2022年07月28日(木)15時48分08秒