自分の知らない街を視界に入れて自分の見聞を広げにいく。そうした旅で鉄道を利用する。
そうした目論見で出発。数ある目的の中のひとつは東急電鉄全線完乗。それも達成しておく。
とは言っても来年開業予定の「相鉄・東急直通線」が完成したら全線ではなくなる訳ですが。
まずは地元から目黒駅まで遠距離をひたすら移動。JRの目黒駅に到着。
改札を出て東急の地下駅に移動。券売機で「東急線ワンデーパス」を購入して行動開始。
開始地点は目黒。終了地点は下高井戸。
まずは目黒線で多摩川まで乗車。多摩川から先の日吉までは東横線との複々線。
複数の路線が並んで走っている区間ではどちらかの区間に乗車すればよしとする。
目黒→(目黒線)→多摩川
これで目黒線を完乗。多摩川で多摩川線に乗り換えて終点の蒲田まで。
多摩川→(多摩川線)→蒲田
蒲田で下車。JR京浜東北線との接続駅という事もあって駅舎内がある程度入り組んでいる。
駅舎は巨大なビル。グランデュオ蒲田が要塞の様にその存在感を示している。
駅周辺は歓楽街から商店街、銀行などのビジネス系店舗に至るまで多種多様。
ごった煮の様な雰囲気が駅前から続いている。人が住む街と人が働く街の混在。
そうした様相。
蒲田駅から池上線に乗車して五反田まで向かう。
蒲田→(池上線)→五反田
途中の池上では途中下車したくなる様な近年改装されたであろうホームを有していた。
終点の五反田に到着。五反田駅のホームは地上4階ぐらいの高さに位置。
地上からの高さがこれだけあるホームは他にあまり知らない。東武の新越谷くらいしか思いつかない。
池上線は多摩川線と同様に3両という短い編成。都心でこれだけの短い編成はあまり聞かない。
亀戸線の2両や京急線の4両はあるが都心の列車と言えば長い編成を思い浮かべるので割と不思議な感覚。
路線名にもなっている池上駅は綺麗に改装されていたがその他の駅はホームの幅が狭いなど
乗りづらさも感じさせる様な駅が存在していたりと東急の苦労が透けて見える路線という印象。
五反田はJR山手線との乗り換え駅だがまずは改札を出て東急ストアへ。
東急ストアではエクレアを購入。もはやエクレアを食す旅と言っても過言ではない体たらく。
それからJR山手線の品川方面に乗車。池上線が3両なのに対して山手線は11両。
この違いが割と面白い。相反する関係に見えるがどちらが欠けても不便になる。
JR山手線を品川駅で下車。京浜東北線に乗り換えて大井町へ向かう。
JR山手線を大崎で下車してりんかい線で大井町へ向かう経路も考えたがりんかい線は高いので今回はJRで。
大井町駅は過去にヤマダ(LABI)のある側に出た事はあるが今回はイトーヨーカドーの側に出た。
品川駅の所在地は品川区ではなく港区。なので品川区の中心駅はここ大井町駅と言ってもいい。
大井町駅からは東急の主要路線に連絡する大井町線に乗車。
大井町線の各駅停車は溝の口行きが殆ど。
急行は溝の口から先の東急田園都市線の中央林間まで乗り入れる。今回は急行に乗車。
普通は5両。急行は7両。この違いはホームでの停車位置に現れる。
大井町→(大井町線)→中央林間
二子玉川から先の溝の口までは大井町線と田園都市線が並走。
溝の口から先は田園都市線の単独区間になる。そこに大井町線の列車が乗り入れる形になる。
終点の中央林間までは行かず途中の長津田で下車して先にこどもの国線を往復する事も考えたが
別に急ぎの旅ではない。先に中央林間の街並みを見学してから長津田に向かう事にする。
先に中央林間で下車。駅の出口の向こうには東急スクエアの入口と歩道橋が見える。
東急スクエアの中には大和市の関連施設も入居している。大和市との関連性の高さを伺わせる。
ショッピングモールの形式。イオンモールの様な横に長い形状ではなく立方体に近い形状。
所在地などはまるで異なるが個人的には「カメイドクロック」を思い出す。
東急スクエアの中にある東急ストアでエクレアを購入。
中央林間の駅前の街並みを一通り見学。その最中に轟音が鳴り響いた。
大和市内には航空自衛隊と米軍の厚木基地が存在している。
時たま飛行機が轟音を響かせて空を飛ぶ。
感覚としては「ダイソンの掃除機が巨大化して空から物を吸い込もうとしている感覚」。
実際は綾瀬市と大和市に跨がっているのに名称は「厚木」基地。厚木市にないのに厚木基地。
そんな不思議な感覚の名前をつけられた厚木基地から飛び立つ飛行機の音が
厚木基地からそれなりに離れていても激しく聞こえてくる。それが中央林間駅周辺の様相。
東急と小田急の2つの会社が駅を設置している中央林間。
どちらかと言えば東急の方が街の中心的存在。そんな感想を抱いて長津田に向かう。
中央林間→(田園都市線)→長津田
長津田で改札の外に出てこどもの国線に乗車。こどもの国線のホームは改札の外にある。
改札を通らず直接乗る様な形になる。正確には「駅舎で切符を買ってから(改札を通らずに)乗ってくれ」。
自分は有効な東急線ワンデーパスを持っているのでそのまま乗りますが。
こどもの国線は
横浜高速鉄道が第三種鉄道事業者として線路を保有。
東急電鉄が第二種鉄道事業者として運送を実行。
なので線路を保有しているのは「みなとみらい線」の運営と同じ会社。
車内はこどもの国を印象づける装飾。途中の恩田では群馬のS級競輪選手を思い出す体たらく。
終点のこどもの国駅に到着。改札を出て駅前を見回してから再度改札を通って乗車。
折り返しの長津田行きとなる電車に乗らないと次の電車までの時間が空く。
長津田→(こどもの国線)→こどもの国→(折り返し)→長津田
長津田に到着するまでの間にこの後の行程を考える。
1:JR横浜線経由
長津田から横浜。ただし東神奈川行きが来ると乗り換えが必須。
桜木町行きを選べば問題ないが横浜線には以前にも乗車した事がある。
2:中央林間からの小田急線、大和からの相鉄線経由
普通に遠回り。それとお金も掛かる。
だけど小田急江ノ島線に久方ぶりとなる乗車が可能。
それと相鉄線はこれまでに一度も乗車した事がない。
その辺りの「久しく乗っていない、もしくは乗った事のない路線に乗れる機会」はそうそうない。
なので2を選択。再度中央林間に向かう。
長津田→(田園都市線)→中央林間
東急の中央林間の改札を抜けて小田急の中央林間の駅舎まで歩く。
小田急の中央林間駅にほど近い所にあるサンマルクカフェの営業時間が朝7時からなので
割と朝早くから営業しているなぁと驚いた。これはかなりの利用価値を生み出している。
小田急の中央林間の駅舎は東急のそれと比べると若干古めかしい印象。
高架ホームに向かう途中にエスカレーターないの?
エレベーターはあるがエスカレーターはないらしい。
中央林間で小田急江ノ島線に乗り換えて南林間、鶴間と停車。次の停車駅の大和で下車。
大和で相鉄線に乗り換えて横浜へ向かう事にする。上手く特急に乗れたら速いよね。
大和駅は小田急と相鉄の2社が接続している共同使用駅。
大和駅の改札の仕組みがちょっと独特。
北口改札(相鉄が管理)
南口改札(小田急が管理)
両方の改札に挟まれる形で乗り換え改札が存在。その乗り換え改札が独特の仕組みを持っている。
ピンク色の改札(ICカード専用)
青色の改札(乗り換え改札)
黄色の改札(反対側の出口を利用する)
例えば相鉄で大和駅に到着して小田急が管理している南口の改札に抜けたい場合。
まずは乗り換え改札で黄色の改札に切符を通す。すると切符は回収されずにそのままぺろっと出てくる。
出てきた切符を忘れずに取って小田急線の大和駅の改札内(コンコース)を通って南口改札に再度切符を通す。
これで切符が回収されて南口に抜ける事が出来る。
相鉄(の改札内)→黄色の乗り換え改札→小田急(の改札内)→南口
小田急(の改札内)→黄色の乗り換え改札→相鉄(の改札内)→北口
出口に抜けたい場合は黄色の乗り換え改札を使用。
相手の路線に乗り換える場合は青色の乗り換え改札を使用。
これは初めて利用する人には難しい仕組みだと思われる。事前に説明を受ければ分かる仕組みでもあるが。
それぞれの出口の脇にはどちらの路線の切符も買える券売機が存在。
券売機に表示されている「小田急」もしくは「相鉄」の表示を押して料金表示の一覧の画面を出して
そこから移動する区間に設定されている料金表示を選んで押してお金を投入する仕組み。
なかなかに不思議な仕組みだった。
とりあえず小田急側の改札に出て券売機で横浜までの乗車券を購入。
再度改札を通って相鉄の改札内に入りトイレを済ませてから地下ホームへ。
やってきた特急の横浜行きに乗車。正午に出発。
大和を出発してからの停車駅は「二俣川」「西谷」「横浜」だけ。
いくつもの駅を通過し自分が乗車している車両とは異なる車両とすれ違いながら
自分生まれて初めての相鉄線の乗車に心踊らせながら横浜駅に到着。
通路の途中に存在していた崎陽軒の売店でポケットシウマイを購入して食す。
横浜駅の地下を歩いて東急東横線の乗り場に向かい改札を発券して改札に切符を通す。
東急東横線と相互直通運転をしているみなとみらい線の横浜駅のホームでもあるので
日本大通りの駅近くにある某青いセリーグのチームを応援するポスターがいくつも貼ってあった。
「横浜DeNAベイスターズを応援しよう!」
『嫌じゃあー!ワイは広島東洋カープを応援するんじゃあああ!』
ある種の発狂を喰らう展開も経ながら東急東横線に乗車。一気に渋谷まで向かう。
横浜→(東横線)→渋谷
渋谷駅での乗り換えを考えた場合他社線に乗り換えるのは時間がかかる。
乗り換えは東横線(地下5階)と田園都市線(地下3階)の方が比較的楽。
東横線→田園都市線、もしくは田園都市線→東横線。
そのどちらかで乗り換えを考える。今回は東横線→田園都市線を選択。
途中の東白楽では複雑な地形を通過しているなぁという駅前の狭小地を目撃。
途中の武蔵小杉では高層マンションが林立する大都会的な感覚を受ける。
高層マンションの高層階とか足が震える様な高さとしか言い様がない。
本当にあれだけの高層階に人が住めるのか、そして安心して寝られるのか。
自分にはちょっと理解に苦しむ世界観。あるいは投資用としての購入か。
大都会の様相を確立した地域をひた走って地下にもぐった電車は渋谷に到着。
渋谷駅で田園都市線に乗り換えて田園都市線の残りの区間を乗車。
渋谷→(田園都市線)→二子玉川
二子玉川では楽天の本社ビルがとにかく目立った。
二子玉川から先は大井町線の急行ですでに通っているので二子玉川で下車。
階段が一方にしかないのが東急の駅の特徴。
JRの様にホームの真ん中に置くというよりもホームの端に置くのが東急の駅の印象。
割と歩かされる。割と歩いて反対方向のホームに到着。三軒茶屋まで戻る。
「東急線ワンデーパス」による移動なのでこうした移動も問題ない。
二子玉川→(田園都市線)→三軒茶屋
三軒茶屋で降りて最後の乗車区間の世田谷線へ。
世田谷線はいわゆる路面電車。田園都市線の出口からは結構歩く。
世田谷線の三軒茶屋駅に到着。東急線ワンデーパスを有人改札の駅員に見せて乗る仕組み。
運賃は均一で大人150円。ICカードだと大人147円。乗車時に支払う仕組みで降りる時にはそのまま降りる。
三軒茶屋→(世田谷線)→松原
終点の下高井戸のひとつ手前の松原で下車。近くにまいばすけっととセブンイレブンがある便利な駅。
セブンイレブンでお金をおろしてまいばすけっとでコーラを買って一気に飲み干した。
松原で最後の一区間に乗車。乗車する際に運転手に東急線ワンデーパスを見せる形で乗車。
松原→(世田谷線)→下高井戸
終点の下高井戸に到着。これで現時点での東急線全線完乗が終了。
やはり自分の知らない世界、自分の知らない東京、JRの路線に乗っただけでは知らなかった東京を
味わう事が出来たというのが今回の乗車の感想。
東急世田谷線の下高井戸駅は京王の下高井戸駅にサンドイッチの具材の様に挟まれている印象。
近くには昔ながらの商店街もあり、にぎわいを見せている街という印象を受けた。
ところでどうして下高井戸がゴールなんですか?
ひとつはスタートとゴールを近くにした方がその後の移動がしやすくなるから。
例えばスタートを渋谷、ゴールを横浜にしたらゴールした後の移動が大変になる。
それが理由のひとつ。そしてもうひとつの理由がこの後の行動にあるから。
下高井戸で京王線に乗車する為に京王線の下高井戸の駅構内へ。
駅改札に向かうまでの間に存在する長い通路の左右にローソンや吉野家といった
商業店舗が軒を連ねる。改札までの長い通路がある意味商店街。
券売機で180円の切符を購入して改札を通る。快速電車が到着したので早速乗車。
電車は都営新宿線で走っている形式の車両。車内での無料Wi-Fiは京王線内でも有効だった。
早速それをありがたく利用しながらの移動。いくつかの駅を飛ばしながら調布に到着。
下車して地下駅の改札を抜けて地上へ。トリエ京王調布のビルの中から地上に出てきた。
京王多摩川まで向かっても180円で済んだがひとつ手前の調布駅周辺には
トリエ京王調布、調布パルコ、西友、(京王線沿線なのに)調布とうきゅう、といった商業施設が存在。
この辺りの有力商業地域。それを味わわずにいるなんて。
トリエ京王調布でウインドウショッピング。窓ガラスから見える景色で駅周辺の広場を眺める。
調布パルコはちょこっと店内を巡った程度で終了。西友で抹茶ラテを購入して一気に飲み干す。
調布とうきゅうには用事がなかったのでお店の前を素通りしてしばらく歩き続ける。
「地下区間と地上区間の境目付近には調布市の防災倉庫が置いてあるのか」
そんな知見を獲得しながら京王相模原線の線路沿いを歩いて京王多摩川駅に到着。
京王多摩川駅の隣にあると言ってもいい京王閣競輪場に到着。
本日は「調布サマーフェスティバル」と「くるくるサイクルデー」の催し物が開催されている。
今回の目的のひとつがこれ。なので東急と京王が接続している下高井戸駅をゴールに設定した。
到着して早速紙を受け取る。ひとつは模擬レースの1着選手を当てるというもの。
「バック回数とかスタートを取りにいった回数、それとガチでやるのかやらないのかが分からないと」
みたいな事も思うので特段どの選手に投票するというのはしないがそうした企画の参加欄。
あとはかき氷やヨーヨーすくいなどの参加券の様な項目が用紙の下側にあり、
参加したらチェックをつけて参加済みという事にしますよという展開として存在している。
同時に開催されているのであちらを立てればこちらが立たずというような気配になっている。
「調布サマーフェスティバル」の方では先の東京オリンピック・パラリンピック2020に関連した
催し物が中心。車椅子バスケの体験会やラグビー体験など。
「くるくるサイクルデー」の方ではバンク内を自転車で体験走行やバックヤードツアーなど。
バンク内に入れるっていうのは貴重な体験。普段は金網の外からしか見られないバンク内に入れる。
バックヤードツアーの参加も考えたがそこまで参加したくはないので今回はパス。
かき氷は自転車を漕ぐとかき氷機が連動して動作してかき氷が出来るという代物。
自分で漕ぐもよし、競輪選手に任せて作ってもらうもよし。
そこは選択制。
自分は自分で漕いで作ってもらった。メロン色のシロップをかけてもらって完成。
普通かき氷を縁日の屋台で購入すると数百円はするのでそれが無料で食べられるというのは
暑いこの時期には特に大きい出来事。
涼しい風も吹いてきた中でかき氷を食べてからバンク内を後にして車券売り場の出入り口付近に
設けられていたワットバイクの記録挑戦の出展に。
年代と性別に応じて設定されている記録を切るとクオカード500円分がもらえるという内容。
自分の前に並んでから挑戦していた人は軒並み記録を切る事が出来ず
「惜しい」と言われる時計で走破していた。そして次は自分の番。
割とあっさりと記録を切った。まぁこんなもんでしょう。
その場を後にする。再びバンク内に戻ってバンクの様子を眺めてみたり、場内の
普段はオッズやレース映像を映すモニターに自分たちの様子が映っているので
腕を上げたり手を振ったりしてカメラを向けているであろうカメラマンに応える。
一通り場内を堪能したら帰りの電車の時間もあるのでそろそろ現地を後にする。
京王多摩川駅から片道250円の切符を購入。改札内に入る。
普通電車の調布行きに乗車して一駅で終点の調布に到着。
その数分後に特急の新宿行きが来るので接続してくれるのが普通電車の調布行き。
特急の新宿行きが到着。「千歳烏山」「明大前」「笹塚」と停車して終点の新宿に到着。
京王の新宿駅の改札を抜け、途中小田急百貨店のエレベーター乗り場の横を通って
JRの新宿駅の西改札に到着。新宿駅で中央線に乗車。御茶ノ水で下車して総武緩行線に乗り換え。
秋葉原駅で下車。久しぶりの秋葉原といった感じの印象を持ちながらラジオ会館のある側に出る。
電気街の改札口から久しぶりに秋葉原の高層ビル群の中へと吐き出される感覚。
そこまで長い時間見てまわれる訳ではないのでコンカフェの呼び込みのお嬢さんたちを観察するとか
あるいは帰りの為に飲み物を買っておくなどの所要を短い時間で済ませて秋葉原駅に戻って乗車。
そこからは自分の地域に向かって帰宅。