[ イチロー氏「初めて手を入れた時の感触が忘れられない」 ] 米大リーグ、マリナーズの会長付
特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさんが4日、キャンプ地のアリゾナ州ピオリアで、
3日に死去した元ミズノ野球グラブ職人の坪田信義さんをしのんだ。守備にこだわる選手にとって
グラブの使い心地は繊細かつ大切なもので「選手の要望は職人さんにとっては時に
残酷なものですが、いつも想像を超えるものをつくっていただいた。まさに名人芸だった」とたたえた。
細部に匠(たくみ)ならではの工夫と技術が込められていた。「毎年新しいグラブが届くと、
今年もゴールドグラブを獲得できると確信した」と懐かしんだ。イチローさんは小学6年生の時、
当時4万円もする高価な本格グラブを購入した。中日でプレーしていた牛島和彦投手が
使っていたものと同じデザインで、それを手がけていたのが坪田さんだった。
「初めて手を入れた時の感触が忘れられない。グラブの“顔”と匂いがそれまでのものとは
異次元で感動した。あのグラブに出合ったことで、ものを大切にすることの重要さを学んだ」と
感謝した。(共同)(日刊 2022年4月5日 14時45分)