[ 各陣営・派閥動き加速 「引きはがし」警戒 ] 自民党総裁選(29日投開票)を2日後に控えた
27日、出馬した4候補の陣営や派閥の動きが一気に加速した。旧竹下派(平成研究会、51人)は
27日の会合で事実上、岸田文雄前政調会長の支持を表明。また、岸田氏陣営は決選投票が
河野太郎ワクチン担当相と高市早苗前総務相との対決となった場合、高市氏を支援する方針を
確認した。旧竹下派の会長代行を務める茂木敏充外相は、派閥会合で「現状では岸田氏を
支持したいという声が多い」と述べた。事実上の支持表明といえ、派内では35〜40人程度が
岸田氏の支持に回る見通しだ。また、岸田氏を支援する甘利明税調会長と、高市氏を後押しする
安倍晋三前首相が会談。決選投票で河野氏を上回るための「2、3位連合」に向けて
腹を合わせたとの見方が広がった。この後、岸田氏側は選挙対策本部の会合を開催。
出席者によると、決選投票で高市氏が河野氏と争うことになったときは高市氏の支援に
回ることを確認したという。党員・党友票は郵送手続きのピークが過ぎたとみられ、
各陣営では国会議員票の争奪戦が激しさを増している。知名度が高い河野氏は
報道各社の調査で党員票で優位に立つと目される一方、議員票は岸田氏に後れを取るとの
見方が強い。このため、河野氏は公務の合間に電話などで議員票の掘り起こしに
尽力している。同時に各陣営が警戒を要するのが他陣営からの切り崩しだ。
河野氏を推すある議員は、河野氏本人から改めて支援を要請されたと明かした上で
「不安になっているのではないか」と述べた。実際、高市氏を支援する議員は
「当初ほど河野氏に勢いはなく、既に離れた議員もいる」と引きはがしは可能だとみている。
議員票の上積みを目指す野田聖子幹事長代行の選対幹部も「他陣営から引きはがされる
心配はある」と不安を口にした。今回の総裁選は大接戦の様相を呈しているだけに、
岸田氏の選対幹部は「引きはがしの応酬になるだろう」と語った。(産経 2021/9/27 20:34)