[ 塩野義、東南アジアで治験 ] 新型コロナウイルスワクチンを開発中の塩野義製薬は、
有効性を確認する最終的な大規模臨床試験(治験)を、ベトナムなどの協力を得て
東南アジアを中心に行う方針を固めた。3万例の実施を目指す。将来的には生産技術を
供与し、アジアでのワクチン供給に貢献する意向だ。ベトナム以外に東南アジアの国々とも
交渉を進めている。政府は国産ワクチンの開発・実用化を急いでおり、アジアで
臨床試験のネットワークを作ることで加速が期待される。アジアでは世界的なデルタ株の流行で
ワクチン不足が顕著になっており、自前でワクチンを生産・調達する機運が高まっている。
塩野義が将来的にワクチンの製造技術を供与することで、国レベルで臨床試験への
参加協力を得られる見通しがついた。国産ワクチンの開発をめぐっては、
大規模な臨床試験をどう行うかが課題だ。国内ではすでに米製薬大手ファイザーや
米バイオ企業モデルナなどが開発し、承認済みのワクチン接種が進んでいる。
国内で今後、数万人規模で未接種者を募り、プラセボ(偽薬)を使って発症予防効果を
見ることが難しくなっている。このため、塩野義は、ベトナムなどアジアでの大規模臨床試験を
行うことと並行して、接種後に体内にできる免疫物質を測定し、承認済みワクチンの数値と
比較する方法も検討していく。塩野義が開発中のワクチンは、ファイザーやモデルナの
メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンと異なり、「組み換えタンパクワクチン」と呼ばれるタイプ。
秋に日本で中規模の臨床試験を実施し、年内に大規模試験を開始、年度内の
国内供給を目指している。アジアで臨床試験のネットワークを確立することは、
政府が6月に閣議決定した「ワクチン開発・生産体制強化戦略」にも課題として挙がっている。
中国のワクチン外交が広がるなか、アジアでのワクチン供給に寄与するとともに、メーカーには
不採算のワクチン事業を安定化させる意味がある。(産経 2021/8/18 22:11)
(●▲●)「シオノギ・ワクチンフェア」
日本製のワクチンで世界に明るい歌を届けろ。
以上。