[ 新人の多田氏が現職破る 館林市長選 ] 任期満了に伴う群馬県館林市長選は28日に
投票が行われ、午後9時からの開票の結果、無所属新人の元県議、多田善洋氏(61)が、
再選を目指した無所属の現職、須藤和臣氏(53)を破り、初当選を果たした。最終獲得票は、
多田氏が1万6410票、須藤氏は1万3916票。多田氏は「厳しい選挙戦だったが、
選挙中に訴えた『対話・協働・行動』のスローガンが受け入れられた。市民と協働のまちづくりを
目指したい」と語った。ともに元自民党県議で、現職の死去を受けて行われた前回と同じ
保守分裂となった選挙戦は、市議会を二分する形で展開、現職には山本一太知事が、
多田氏には近隣の板倉町長らが応援に駆けつけるなど、終盤まで熾烈な争いを演じた。
両陣営とも選挙戦を振り返り「手応えはあったが、票は読めない」としていた。政策面で
似通った方向性を持つ中、際立った相違点となったのが、2年前に頓挫した板倉町との
合併協議に対する考え方。「合併推進」の多田氏は、合併による「10万人都市構想」を掲げ、
邑楽郡5町全体との広域合併も視野に入れたスケールメリットを強調。一方、須藤氏は
「コロナ禍の中、時期が悪すぎる」と「合併反対」を主張。迅速なコロナ収束を訴えた。
有権者は「合併協議再開」を選択したことになり、多田氏も「地域の活性化は邑楽郡5町と
館林が一体となって進める。館林はその中心になる」「(板倉町との合併の)
協議会再開を改めて市民に訴えていく」と宣言した。一方、再選を果たせなかった須藤氏は、
支援者を前に「最後まで訴えたが、届かなかった。皆さまの勇気と奉仕に感謝いたします」と
述べた。(産経新聞 2021年03月28日 23時09分)