[ 三菱UFJ銀行、頭取に半沢氏 ] 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、傘下の
三菱UFJ銀行の頭取に同行の取締役常務執行役員の半沢淳一氏(55)が
昇格する人事を固めた。計13人いる副頭取と専務を抜き、同行で初めて常務から頭取になる。
世代交代を早めて収益モデルや企業文化の改革を一段と進める。三毛兼承頭取(64)は
持ち株会社であるMUFGの会長に就く。半沢氏はMUFGの指名・ガバナンス委員会の
承認を受けて2021年4月に就任する。20年4月にMUFGと信託銀行の社長を交代しており、
銀行も含めてグループの経営体制を刷新する。半沢氏は主に銀行の中枢である
経営企画部門を歩み、18年には名古屋の営業責任者に就いた。現在は最高法令順守責任者(CCO)を
務める。マネーロンダリング(資金洗浄)対策などの規制が強まるなか、事業を拡大した
海外のコンプライアンス体制の強化にあたる。三毛頭取は19年にインドネシアの現地銀行である
バンクダナモンの買収を決め、アジアでの商業銀行網を構築した。若手行員を登用しやすくする
人事制度を導入するなど行内の風土改革にも努めた。三菱UFJ銀の頭取はこれまで副頭取からの
昇格しか例がなく、常務からの登用は年次に基づく人事が中心の銀行で異例となる。
実力本位の処遇をトップ人事でも示す。21年春には新しい中期経営計画を公表する予定で、
経営陣を入れ替えて事業構造の転換を進める。半沢氏は1988年、人気ドラマ「半沢直樹」の原作者である
池井戸潤氏と同期で三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行した。(日経 2020年12月22日 17:00)