[ 菅氏支持各派、早くも綱引き ] 自民党総裁選は2日、「大本命」の官房長官の菅義偉が出馬を
正式に表明した。表明前から全7派閥のうち5派閥の支持を取り付け、雌雄がほぼ決する中、
周辺では「菅政権」誕生をにらんだ綱引きが始まった。午後5時、東京・永田町で菅の記者会見が
始まった。前日に派閥事務所で出馬表明した政調会長の岸田文雄、元幹事長の石破茂と異なり、
派閥に属さない菅が会場に選んだのは衆院第2議員会館の会議室だった。数十台のカメラの
レンズが向く中、マイクの前に立った菅は緊張しているようにも見えた。話し始めると、
官房長官として毎日こなしている定例記者会見のように無表情だったが、言葉にはやや
力がこもっていた。意外な展開となったのは開始から3分。「私の原点について
少しだけお話をさせていただきたい。雪深い秋田の農家の長男に生まれ…」
首相の安倍晋三を支える黒子役だった菅が自身の生い立ちを詳しく語り始めた。
終盤には東京新聞記者が、首相就任後の記者会見で十分に時間を確保するかという
趣旨の質問を62秒間にわたり続けると、こう切り返した。「早く結論を質問すれば、
それだけ時間が浮くわけであります」菅は安倍路線を継承する考えを強調した。
着用していたブルーのネクタイは、安倍が8月28日に辞任表明した際のものと
色も柄もそっくりだった。(産経 2020.9.2 22:58)