2020年08月01日(土)弔問外交

[ 【李登輝氏死去】台湾、見据える弔問外交 ] 台湾の李登輝元総統の死去から一夜明けた
31日、台湾の総統府は李氏の葬儀に関する会議を開いた。蔡英文総統は多くの海外要人を招いて、
台湾への圧力を高める中国を牽制(けんせい)したい考えとみられるが、新型コロナウイルス流行の
中では困難が伴う。一方、中国側は「民主化の父」をめぐる台湾の弔問外交を警戒しているようだ。
葬儀に関する会議には李氏の家族代表や外交部(外務省に相当)、国防部(防衛省)の
関係者らが出席した。キリスト教式で行う方針はほぼ固まったが、葬儀に海外の要人を招くか
否かについては結論が出なかったもようだ。台湾当局の関係者によれば、李氏の台湾に対する
貢献と国際社会における影響力を考慮し、蔡政権は当局主催の公式な形で葬儀を盛大に
執り行いたいとしている。その際、多くの海外要人に参列してもらうことで、台湾の存在感を
国際社会にアピールしたい考えもあるという。中国の圧力で、これまでに台湾を訪問した
外国の首脳は少ない。台湾メディアによれば、李氏の前任の総統で1988年に死去した
蒋経国の葬儀には、当時のシンガポール首相のリー・クアンユー氏、日本の灘尾弘吉・元衆議院議長ら
14カ国の要人のみが参列した。ただ最近では、香港国家安全維持法の施行により、
欧米で中国への警戒が高まる一方、コロナ流行への効果的な対応などで民主主義の
台湾が注目もされた。台湾当局が招待すれば欧米や日本から現役の要人が訪れるとの
期待もあるという。一方、コロナの流行が世界で続く中で、各国から多くの要人を招くことに対して
慎重な意見もある。5月20日に行われた蔡氏の2期目の就任式では海外の客を招待せず、
各国要人からのビデオメッセージを放映する形をとった。李氏の葬儀も同じく各国首脳に
ビデオ出演してもらう可能性もないとは言い切れない。与党、民主進歩党の関係者は
「どんな形でも中国は必ず抗議する。ビデオの方が参加しやすいかもしれない」と
話している。(産経 2020.7.31 23:43)

2020年08月01日(土)01時46分42秒