2020年07月30日(木)訃報

[ 台湾の民主化に尽力 李登輝元総統が死去 ] 台湾で初めての直接投票による総統選挙を
実現させるなど民主化に尽力し、親日家として知られる李登輝元総統が、日本時間の
30日午後8時すぎ、入院先の台北市内の病院で亡くなりました。97歳でした。李登輝元総統は
1923年、日本の統治下にあった台湾で生まれました。今の京都大学農学部に入学し、
太平洋戦争中に旧日本陸軍に入隊して、日本で終戦を迎えました。台湾に戻り研究者として
活動したあと政治家に転身し、1988年、当時の蒋経国総統の死去に伴って、台湾出身者として
初めて総統に就任しました。在任中は議会制度の改革など民主化を推し進めたほか、
台湾の国際社会での存在感を高めようと積極的な外交を展開し、アメリカも非公式に
初めて訪問しました。そして1996年には住民の直接投票による初めての総統選挙を実現させ、
当選しました。李元総統のこうした動きに対して中国は「台湾独立の動きだ」として強く非難し、
台湾近海でのミサイル演習など武力による威嚇を繰り返したため、アメリカは空母を派遣し、
台湾海峡の緊張は一気に高まりました。李元総統は親日家として知られ、2000年に
総統を退任したあとは、病気の治療や文化交流を目的に日本をたびたび訪問し、
各地で講演などを行っています。ここ数年は、主に台北にある自宅で政界関係者と
面会するなどしていましたが、ことし2月、体調を崩したため自宅から病院に搬送され、
その後入院を続けてきました。李元総統が入院していた病院によりますと、日本時間の
30日午後8時20分すぎ、亡くなったということです。97歳でした。(NHK 2020年7月30日 21時24分)

ご冥福をお祈りいたします。心よりお悔やみ申し上げます。

2020年07月30日(木)21時42分22秒