[ 医療現場優先した首相 「途中で再評価」で機動性 ] 安倍晋三首相は4日、新型コロナウイルスの
感染拡大防止のための緊急事態宣言の延長を、新規感染者の数が減少傾向に転じているにも
かかわらず決断した。何よりも、崩壊の危機に瀕(ひん)する医療現場を守って態勢を整え、
“決壊”させないことを優先した。一方で、感染抑制地域での自粛の一部緩和を認めるなど、
「経済を生かすための綱渡り」(首相周辺)も継続し、状況に応じて不断の見直しを行う。
「日本の情勢は、だいぶ落ち着いてきてはいる。ある程度、宣言の期間を延ばしておき、
途中で解除するのも一つの考え方だろう」安倍首相は4月30日夜、周囲にこう語った。
そしてその翌日の5月1日、政府の専門家会議がまとめた提言には、感染症の流行時に
感染者1人から平均何人にうつるかを表す「実効再生産数」が示されていた。
これが「1」を下回れば感染は縮小に向かう。(産経 2020.5.4)