[ 広島1軍投手コーチに横山竜士氏が就任 ] 広島の1軍投手コーチに、球団OBでデイリースポーツ
評論家の横山竜士氏(43)が就任することが6日、分かった。2014年の現役引退以来、
6年ぶりの現場復帰となる。広島ひと筋20年で、選手時代はケガを乗り越え、先発、中継ぎとして
通算507試合に登板した。新監督には佐々岡投手コーチの就任が確実。リーグV奪回と
投手王国復活を目指す新指揮官を支えていく。投手陣再建の切り札として、横山氏に
白羽の矢が立った。新監督就任が確実な佐々岡投手コーチとは現役時代から気心が知れた仲。
かつてのセットアッパーが、新政権の重責を担うこととなった。現役時代は感情をむき出しにした
魂の投球が代名詞だった。「味方に弱いところは見せられない」。拳を握り、雄たけびを上げ、
ナインを鼓舞した。低迷期を支え、熱い姿がファンの共感を呼んだ。横山氏は福井商から
1994年度ドラフト5位で広島に入団。プロ3年目の97年は56試合に登板し、10勝5敗、
防御率3・27の好成績をマークした。その後は先発に転向。99年に右肩のルーズショルダーを
発症し、登板機会が減少した時期もあったが、2007年にはセットアッパーとして自己最多
31ホールドを記録した。13年には史上90人目の通算500試合登板。度重なる故障を乗り越え、
広島ひと筋20年の現役生活を過ごした。14年に現役引退してからは広島を拠点に評論家として
活動を開始。理論的で、鋭い評論には定評があり、中国放送(RCC)解説者としてもテレビ、ラジオで
活躍した。フットワークも軽く、球場やキャンプ地を積極的に訪問。熱心な姿勢で見聞を広めてきた。
現場を離れても、チームを近くで見守ってきただけに、投手陣の課題は熟知している。
チーム防御率3・68はリーグ2位だが、1年を通して勝ちパターン継投の構築に苦しんだ。
守護神・中崎が勤続疲労から不調に陥り、昨季までセットアッパーを担った一岡、今村も
登板数を減らした。先発も実績ある薮田、岡田の不調が最後まで響いた。先発、中継ぎの
経験がある横山氏の指導へ、期待は高まっている。一方で“佐々岡チルドレン”の
高卒2年目の山口、遠藤、ルーキーの島内ら若手が来季へ飛躍の足がかりをつかんだ。
将来性あふれる投手が多く、43歳の横山氏は兄貴分的存在となりそうだ。6年ぶり
現場復帰へ意欲満々。新指揮官と共に、投手王国を築き上げる。(デイリー 2019.10.07)