[ セ最少得点の阪神、早仕掛け打撃は選球眼あってこそ ] 約1カ月前、京セラドーム大阪で
広島と対戦した頃の話だ。ちょうど広島の主砲・鈴木誠也に熱愛報道が出た。お相手を知って
思わず「ははあ〜。素晴らしい〜」と思った。野球で有名になると真剣交際の相手は
なかなか難しい。タレントか。女性アナウンサーか。あるいはCAか。もちろん一般の人もいるけれど。
そういうところを見事なまでにかいくぐる相手だった。「鈴木選手。まいった。さすがの選球眼や」。
そんな話をしたら鈴木は「何ですか、それは」と照れながら苦笑した。人間を野球のボールに
例えるのは失礼だが、そんな言葉がピッタリ来るように感じたので思わず口走ってしまった。
首位打者・鈴木は四球も多い。この日も2つ選び、これで今季93四球となった。
トップはヤクルト山田哲人の100個だが、そこに迫る勢いだ。そこで阪神の話になる。
広島相手に健闘したが1点差で負けた。中4日で登板した広島ジョンソンに6回を73球
無失点で悠々と投げ終えられ、11勝目を献上した。早いカウントから打って出た結果だ。
「ジョンソンの場合は追い込まれると打率が低いので。早く仕掛けていくということを
ミーティングで話していた。凡打になってもそれは結果なので仕方がないです」
打撃コーチの浜中治は悔しそうに話した。これはもっともである。ジョンソンは制球力がいい。
この日は3四球を出したが状況的に勝負する気がなかった感じだ。1回のマルテ、
2回の梅野隆太郎は4球、6回の福留孝介は5球で歩かせた。要するに奪った四球では
ないと言える。だが今季、トータルで考えさせられるのは阪神の四球が少ない点だ。
この日までチーム四球数は404個。DeNAと並んでワースト2位だ。一番少ないのは中日。
それを考えれば勝敗に直接、関係ないように思えるが中日もDeNAも打つ。ここが難しい。
鈴木は93四球。巨人岡本和真は54。DeNA筒香嘉智は86。阪神のほとんどの試合で
4番を打った大山悠輔の四球はこの日までで35個だ。中日ビシエドも37個だが
死球は13個でリーグ・トップである。リーグでもっとも得点が少なく、相変わらず
打撃力が課題の阪神。打つ以前に球を見極めることもやはり大事だと思う。
順位どうこう以前の話だ。(日刊 2019年9月9日 6時0分)
「鈴木選手。まいった。さすがの選球眼や」
ホントこれ。
人を見る目のない奴ほどダメな奴になる。
以上。