[ 前代未聞!広島・長野、内海にアポなし突撃 ] 広島春季キャンプ(8日、宮崎・日南)巨人から
広島に移籍した長野久義外野手(34)が8日、チームの休養日を利用して西武の宮崎・南郷キャンプを
サプライズ訪問。自身と同じく巨人からフリーエージェント(FA)の人的補償で移籍した
西武・内海哲也投手(36)を激励した。内海の投球練習をブルペンで見つめ、終了後には
満面の笑みで固い握手。報道陣の取材にも応じ、2人並んで漫才のような掛け合いも披露した。
懸命に左腕を振る内海の視界に、なぜか“あの男”が入ってきた。「?」。長野だ。ブルペンの横から、
のぞき見していた。「めっちゃビックリしました」と内海は目を丸くしながら、満面の笑み。
ともにFAの人的補償で巨人を離れ、別れを強いられた戦友が、アポなしで激励に訪れた。
西武と広島のキャンプ地は同じ宮崎・日南市内。距離にして7・5キロ、車で15分ほどと近いが、
現役選手が他球団の練習を訪問するのは異例だ。長野は休養日を利用し、電撃的に西武の
南郷キャンプへやってきた。黒のスエットにニット帽というラフな格好の長野は、ファンに紛れて
見守っていたが、その姿を発見した西武球団広報の計らいでブルペン内へ。捕手側の後方で、
初めはおとなしく見ていた。だが途中で球審のストライク判定に「ボールじゃない?」「高い、高い」と
異議を唱えると、内海は苦笑い。「ジャイアンツのときから、後ろでちゃちゃをいれてくる。
いつも通りだなって」と、懐かしそうに振り返った。「うれしかった。燃えました」と36歳の左腕は、
長野の熱い視線を浴びながら103球。互いの笑みがさらに弾けたのは、その後だ。内海が左腕で
長野の肩を抱き、続いて両手でガッチリと握手。さらに2人は、球団の枠を超えて横に並び、
報道陣の取材に応じた。内海「うれしい〜。接しやすい!!」長野「(ユニホームが)めっちゃ似合いますよ。
これビジターですか?」巨人時代から坂本勇らを含めて食事をするなど親交が深い、2歳違いの2人。
3日夜に日南市内であった西武投手陣の会合に参加していた内海が電話で緊急招集すると、
長野は30分後に駆けつけた。記者の前でも、話は盛り上がるばかりだ。
長野「(内海の球は)打てそうだなと思いました」内海「言うと思った。でもリーグが違うし、いいか」
交流戦で対戦の可能性はあるが、笑顔でやり合った。さらに…。内海「逆に俺も(広島を)
見に行かないといかんやろ」長野「あした(9日)休みでしょ?」内海「ゴルフや!!ファンとして見に行こう」
長野「とにかく打てそうでした」内海「そればっかり」長野「あんまり邪魔するのもどうかと思った」
内海「もっと激しくしてほしかった」漫才のような丁々発止のやり取りが、南郷の曇り空へ鳴り響いた。
「こんな2人の囲み(取材)とかないですよ。めっちゃレアですよ!!」と締めた長野。
ともにプロ入り時に熱望して入団した巨人を「人的補償」という形で離れることになったが、
男同士の熱い友情は永久に不滅だった。(サンスポ 2019.2.9 05:05)