2018年06月02日(土)移転

[ 前橋赤十字 新病院開院 入院患者201人無事搬送 ] 前橋赤十字病院の新病院(前橋市朝倉町)が
1日、開院した。これに伴い、同市朝日町の旧病院から新病院への引っ越しが同日朝から行われ、
入院患者201人を日赤職員や消防関係者、県警、自衛隊員ら計約1600人が協力して運んだ。
搬送距離は3キロほどだが、重篤な患者もいて、無事に終了すると関係者から安堵(あんど)の
声が上がった。新病院では4日から一般の外来を受け付ける。(石井宏昌)同病院は病床数555床
(旧病院592床)で県内では群馬大病院に次ぐ規模。前橋赤十字病院の広報担当者は
「群大病院は移転したことはないので、今回は県内最大規模の移転作業」という。搬送する患者は
事前に外泊できない人で人工心肺が必要な患者もおり、こうした医療機器を付けたまま搬送できる
特殊車両を準備した。県内11消防本部の救急車や自衛隊の車両、福祉車両など計33台で患者を運び、
安全面を考慮して県警の白バイやパトカー計13台が誘導した。作業には看護学校の学生ボランティアも
協力した。午前8時半すぎに患者搬送が始まると、旧病院の正面玄関や救急棟入り口前に車が並び、
患者をストレッチャー(車輪付き簡易ベッド)で救急車に乗せたり、車いすのお年寄りを福祉車両に
乗せたりして新病院間を何度も往復。同日午後3時半ごろに無事終了した。中野実院長は報道陣に
「多くの人の援助で患者を安全に搬送できた」と話し、旧病院の地元住民に「105年という長い期間、
大変お世話になった。さまざまな機能を果たすため移転ということになったが、これからもよろしくお願いしたい」と
感謝の思いを込めた。新病院開院には「救急医療とがん治療に力を入れ、ハード、ソフト面とも充実したので、
期待される役割をしっかりと果たしたい」と抱負を語った。一方、長年親しんでいた病院の移転に
旧病院の近隣住民の思いは複雑。近くで商店を営む女性(83)は「残念だけど仕方ないね」と
顔を曇らせる。「近くに病院がなくなるので心配。近所の人はみんな心配している。跡地には、
診療所でいいので医療機関を誘致してほしい」と漏らした。跡地について前橋市は
医療介護や居住施設を集めた「前橋版CCRC(生涯活躍のまち)」拠点整備事業を
大手住宅メーカーと進め、2021年度の供用開始を目指す。(東京新聞 2018年06月02日)

2018年06月02日(土)21時11分54秒