2018年05月02日(水)完成

[ 前橋赤十字新病院が完成 ] 前橋市朝倉町で新築移転工事をしていた前橋赤十字病院の
新病院が完成し、6月1日に開院する。県内初の放射線治療装置など最先端の医療設備を整備し、
院内に芸術作品を取り入れて患者や家族を癒やす取り組み「アート・イン・ホスピタル(AIH)」も導入。
「皆にとって優しい、頼りになる病院」(中野実院長)を目指す。新病院は鉄筋コンクリート造りの
地上7階建てで、病床数は555床。敷地面積は現在地の約4倍となる12万平方メートルあり、
不足していた駐車場は1900台用意した。現在地(同市朝日町)の病院は老朽化が進み、
増改築で院内が複雑化したため、南に3キロ移転することになった。総事業費は379億円。
新たに設置した放射線治療装置「サイバーナイフ」は、機械制御のロボットアームから脳腫瘍や
がんなどの病巣に正確に放射線を照射し、治療する。手術や麻酔の必要がなく、痛みもないため
患者の負担が軽い。国内30数施設で稼働しているが、県内では初導入となるという。
手術室は15室あり、手術中にコンピューター断層撮影(CT)が撮影できる最先端機器も導入。
ドクターカーを迅速に出動させるため、市消防局の救急隊員が常駐する施設も造った。県内唯一の
「基幹災害拠点病院」に指定されているため、非常時の備えも充実させた。本館は最新の免震装置を採用し、
最大500人を収容できる講堂もある。敷地西側には、自衛隊双発ヘリ(CH47)が離着陸可能な
スペースも設けた。一方で、患者や家族への配慮も工夫した。AIHを提唱する銅版画家の山本容子さんの
監修で、山本さんら4人の芸術家によるステンドグラスや、絵画などの芸術作品を院内7カ所に設置。
総合病院の設計段階から芸術家が関与するのは、国内初という。患者が手術中の家族らの待合室には、
青白磁の器を並べたオブジェと泉をモチーフにしたステンドグラスを展示。山本さんは
「中には10時間待つような人もいる。待っている間、じっと見て何かを考えているうちに時間がたつような、
不思議な空間にした」と語った。3日午前10時〜午後4時、一般向け内覧会がある。
予約不要。(東京新聞 2018年05月02日 8時10分)

2018年05月02日(水)12時55分40秒